【転職の失敗事例】転職後3年以内に辞める確率80%!転職で失敗する人の特徴とは?アンケートデータ付き

厚生労働省の調査によると、初めての転職では1年以内の離職率24.6%、3年以内63%というデータがあります。明らかに企業側が良くないケースもありますが、ほとんどは企業側も転職者側も「お互いにマッチするかしっかりと考えなかった結果」です。失敗しない転職のためには「何をどのように考えて」転職する必要があるのか、解説していきます
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1:転職は一度失敗するとずるずる失敗しがち。転職で失敗する人の特徴

転職活動のサポートを行う際に私の中で一番大切にしている想いは「絶対に失敗してほしくない」ということ。月間約20名の相談に乗りますが、そのうち約7割は2社目の企業を3年以内に離職検討している人たちです。

必ず退職検討理由を聞いているので、それをまとめたデータから、3年以内に離職を検討する人の理由と例を見てみましょう。

実に8割強の人が、「前職の退職検討理由を改善しようとして失敗」した経験があるいえます。特に一度のみならず二度三度と転職に失敗する人は、ほとんどが上記の理由で転職活動を行っています。

何度も同じような理由で転職を繰り返していると、脅しではなく本当に、雇い入れてくれる企業がなくなる可能性があります。

ではなぜそうなるのか、次の章から具体的に解説していきます。

2:人間関係や職場環境、待遇改善を目的とした転職は当たり外れがわからないガチャガチャ

1章で述べたように、転職で失敗する人の8割強が前職の退職検討理由を改善しようとして失敗しています。具体的には、人間関係や職場環境、待遇などの条件を改善させようと転職に踏み切ります。

「人間関係や職場環境、待遇の改善を考えて転職して何が悪いの?」と思うかもしれませんが、それではほとんどの人が失敗します。

とっても簡単な理由が2つあります。

①人間関係や職場環境は「相性」だからです。
②待遇は自分自身の「能力に左右される」からです。

①人間関係や職場環境は「相性」から具体的にひも解いていきましょう。

例えば大学をイメージしてください。AグループとBグループそれぞれ5人のグループがあったとします。Aグループは体育会系のノリでとても仲良しです。Bグループの人たちは2次元が好きで、静かな雰囲気で仲良しです。Bグループの人がAグループの飲み会に成り行きで参加することになりました。

想像してみてください。Aグループの飲み会に参加したBグループの人は楽しめそうでしょうか?

答えは、きっと楽しくないでしょう。むろんいじめられることはないでしょうが、居心地は良くないのではないでしょうか。

要は企業がどれだけ「うちは風通しも良くて仲が良い職場だよ」といっても、自分がなじめるか、楽しいかは全く別の話です。

転職先を人間関係や職場環境で選ぶとギャップが生まれ、少し嫌なことがあっただけで「人間関係や職場環境が悪い職場だ」と認識してしまうのです。

次は②待遇は自分自身の「能力に左右される」を具体的に見ていきましょう。わかりやすい例にするため、営業職で考えてみます。

1人の従業者を採用するためには、年収の約2倍の固定経費がかかります。年収400万円だとすれば、約800万円です。

年収400万円の場合の簡単な内訳は以下のとおりです。労働者搾取型のブラック企業ではない場合の、基本的な相場を算出しました。

・給与所得400万円/年
・社会保険料や雇用保険料100万円弱/年
・福利厚生費60万円/年
・固定雑費や他諸経費50万円/年
・間接人件費200万円/年

企業の利益や株主への利益、顧客へ貢献するための設備や広告への投資などを考えれば、企業として求める生産性は、無形商材の場合上記固定費の3倍=粗利益2,400万円以上、有形商材の場合最低10倍=粗利益8,000万円です。これ以上の生産性がないと、現在の日本のGDPでは年収400万円の給与支払いは難しいといえます。
※前提としてではございません
※あくまで一例で、利益率や収益形態によって変わります

もし現在あなたが粗利額で年利益無形商材で2,400万円以上、有形商材で8,000万円以上稼いでいて年収400万円以下なら、給与アップを狙った転職が可能でしょう。つまり、結局給与はあなたの能力に合わせて決定されているのです。
※売上額ではありません。粗利額です。

これは、営業職だけではなく他職種でも同様です。事務職なら生産性を上げて売上へ貢
献、経理なら主体的に動き節税に貢献、人事なら採用を行うことで売上へ貢献、工場の管理でも生産性を上げ従業者の残業時間を減らし固定費削減へ貢献など。

あなたの仕事がおおよそ年収の6倍の価値を生み出せているかどうか?で給与は決定されるのです。なので、待遇改善だけを目的に仕事を選んでもうまくいきません。

ではなぜこのような考え方になってしまうのか?次の章で解説していきます。

3:退職検討理由と転職理由は違う!どう分けて考えるのか?

転職活動を行っているとよく問われる転職理由ですが、皆さんこんなふうに考えていませんか?

・月に残業時間が〇〇時間で、プライベートが有意義に過ごせないから
・休日出勤が多いのが嫌だから
・給与がわりに合わないから
・若いうちからどんどん成長していきたいけれど、現職は自分が思っている成長環境ではないから

「人間関係が悪くて…」「職場の雰囲気が悪くて…」これらは全て転職する理由ではなく、「現職の退職を検討する理由」です。

これ、重要なのでもう一度いいます。上記に上げた例は「現職の退職を検討する理由」です。

第2章でも説明したように、人材1名を雇うことは企業にとって大きなリスクであり、大きな投資です。

「現職の退職を検討する理由」で職を探している人は、採用担当者からはネガティブにしか見えないため、なかなか内定に至りません。そして、採用してもすぐ辞めてしまいます。

ではどのように転職理由を考えればよいのでしょうか?次の章で具体的に見ていきましょう。

4:失敗しない転職の為には〇〇と〇〇を考えることが重要!

転職を失敗しないためには①転職を通して実現したい第三者への貢献②自己成長を考えることが重要です。

この2つが転職の軸であり転職理由であり志望動機でもあります。

転職を考えるきっかけはもちろん、第3章で記載したような退職検討理由でよいでしょう。ただそれだけだと、第1章で記載したように「退職検討理由を改善しよう」として転職に踏み切り、結果的に失敗してしまいます。

①転職を通して実現したい第三者への貢献②自己成長の2つを考え、それが実現できる企業へ前向きに転職を考えることが重要です。
なぜこの2つが重要なのかというと、理由は簡単です。

まず①については、「人は誰かの役に立ちお金をもらっているから」です。逆にいうと、役に立ちたくない人に対して仕事をしても、モチベーションは維持できません。大して貢献度を感じられない状態では、少しでも嫌なことがあるとモチベーションが一気に落ちるのが人だからです。

ピアノが嫌いなのにピアニストになれる人はなかなかいませんし、犬が好きじゃないのに犬の保護を積極的にする人はいません。好きなことを仕事にしなさいというわけではありませんが、自分が「こんな人にこんなふうに役に立つ仕事がしたいな!」と考えるのです。

②については、人は成長実感がないと、楽しいと感じ続けられなくなるからです。進んでいる実感がない、停滞していると感じるのは、精神的に良くありません。

なので①転職を通して実現したい第三者への貢献②自己成長について考え明確にし、
実現できる企業への転職に向けて行動すると失敗しない転職へつながります。

実際に2つの転職の軸を考えようと思っても、「どう考えればいいのかわからない」「自分一人では難しい」と思うかもしれません。

だからこそ転職サイトで転職エージェントやキャリアコンサルタントを活用するのです。転職エージェントやキャリアコンサルタントは、求人を探したり業界の情報収集をしたりするためだけではなく、「転職の軸をしっかりと固めて最良の選択をする」サポートをしてくれる存在です。

とはいえ、求人を紹介するだけ、企業へ送客することだけを考えた良くないエージェントもいるので、エージェント選びには注意が必要です。下記記事を読んで、転職エージェントを効果的に活用してください。
<リンク記事:トップエージェントが語る失敗しない!転職エージェントの活用方法>
※こちらの記事はおよそ4分で読めます。

また第5章で解説した転職理由の考え方や自己分析についても、詳しく解説した記事があるので、読んでおくことをおすすめします。
<リンク記事:転職活動の軸がぶれなくなる人生100年時代を勝ち抜くキャリア自己分析>
※こちらの記事はおよそ7分で読めます。

自分の軸がしっかり定まったら、企業選びで失敗しないための記事もぜひご一読ください。
<リンク記事:ブラック企業の特徴はこう見極めろ!何を見てどう選べば自分に合った企業を見つけることが出来るのか?>
※こちらの記事はおよそ5分で読めます。(OpenWorkのアフィリリンク忘れず)

5:まとめ

・退職検討理由で仕事を選ぶと転職に失敗する
・人間関係や職場環境、待遇改善で転職活動を行うと失敗する
・転職で失敗しないためには①転職を通して実現したい第三者への貢献②自己成長の軸を決めて転職活動を行う
・転職の軸を決めるために転職エージェントやキャリアコンサルタントを活用する

これまで紹介した転職失敗パターンや成功に導くポイントを頭に置いて、転職活動を有利に進めていきましょう。転職を成功させて楽しみながら仕事を続けていくために、転職のプロであるエージェントやキャリアコンサルタントも有効活用してください。